飼育生物・分析機器

飼育生物

 我々の研究室では海水から淡水に生息する水生生物を複数種常に飼育しています。

①ジャワメダカ

ジャワメダカ
ジャワメダカは小山次朗名誉教授がマレーシアのペナン島から持ち帰り、これを長い間継体飼育しています。我々の研究室では常に卵~稚魚~成魚を飼育しており、どのステージでも試験可能です。ジャワメダカは海水で飼育するということを除けば、以下に示すヒメダカとほぼ同じ方法で飼育可能です。また、化学物質に対する感度も高く、新しい海産試験魚としての適用が期待されています。


②ヒメダカ

ヒメダカ
ヒメダカも淡水の影響試験を行う上で欠かせない魚です。ゼブラフィッシュと並び、化学物質の影響試験では広く用いられている魚です。我々の研究室では常に卵~稚魚~成魚を飼育しており、どのステージでも試験可能です。急性毒性試験で用いる他に、メタボロミクス解析や底質影響試験、その他、多くの研究で試験魚として用いています。


③コイ

コイ
コイは日本の化審法において主として蓄積試験に用いられている魚です。我々は化学物質の蓄積、吸収、代謝などの実験でコイを用いています。試験に際しては必要なサイズを養魚場から購入して、それを一時的に畜養して試験に用いています。


④フサゲモクズ(ヨコエビ)

フサゲモクズ(ヨコエビ)
フサゲモクズは沿岸域の浅いところに生息しています。人工飼育下でも比較的簡単に繁殖するため、我々はこの無脊椎動物を海水や底泥中化学物質の試験生物として使用しています。フサゲモクズも常時フルステージ飼育しています。


⑤クルマエビ

クルマエビ
最近、農薬の影響を調べるために用いました。鹿児島はクルマエビが比較的容易に入手可能なため、今後、様々な研究で用いることを計画しています。

分析機器

①質量分析装置付きガスクロマトグラフィー(GC/MS)

質量分析装置付きガスクロマトグラフィー(GC/MS)
環境汚染モニタリングにおいて、GC/MSは欠かせない機械だと言えます。我々の研究室でも多環芳香族炭化水素類を初めとして様々な化学物質測定のために2台のGC/MSが常時フル稼働しています。メタボロミクスにおける代謝物測定にも用いています。


②質量分析装置付き液体クロマトグラフィー(LC/MS/MS)

質量分析装置付き液体クロマトグラフィー(LC/MS/MS)
LC/MS/MSは最近、環境分析で広く用いられるようになってきました。我々は本機を汚染物質測定だけでなく、ホルモンなどの生体内成分などの測定なども行っています。


③高速液体クロマトグラフィー(HPLC、UPLC)

高速液体クロマトグラフィー(HPLC、UPLC)
HPLCは測定対象物質に応じて、測定者が比較的柔軟に機械を改造することができるため、小回りが利く分析機器だといえます。様々な化学物質分析で用いますが、最近、ビタミン分析などでも盛んに使用しています。


④原子吸光光度計

原子吸光光度計
原子吸光光度計は金属分析に欠かせない機械です。環境中の金属モニタリングの他、餌中の金属含有量などの測定などにも用いています。


⑤CHNコーダー

CHNコーダー
CHNコーダーは炭素、水素、窒素の含有量を測定する器械です。我々は底質中の炭素量などを測定するときに多用しています。その他、炭素量を知りたい場面は多く、汎用性高い機械だと言えます。


⑥分光光度計、蛍光光度計、発光光度計、マイクロプレートリーダー

分光光度計、蛍光光度計、発光光度計、マイクロプレートリーダー
分光光度計は比色試験で数多くの化学物質測定が可能です。地味です、ものすごく感度が良いというわけではありませんが、簡単に測定ができるため、様々な化学物質の測定で用いています。特に富栄養化の原因物質となる窒素やリンの測定で多用しています。蛍光光度計は分光光度計ほどは用いる機会はありませんが、石油由来物質などの測定で用いています。発光光度計も使用が限定されますが、我々はATPの測定などに用いています。マイクロプレートリーダーは酸化ストレスや代謝酵素の測定時に用いています。


⑦水生生物飼育室

水生生物飼育室
我々は水生生物を主に飼育していますが、ここでは常時海水が必要となるため、生物飼育に特化した部屋があります。ここで様々な生物を飼育しています。